ヒペリカム・カリシナム(セイヨウキンシバイ)
オトギリソウ科の常緑小低木。
高さ20~40cmの矮性種で、公園やマンションなどでよく植栽され、半日陰地で育つので、高速道路の下など最近広く使われるようになりました。
花期は6月~7月で、夏の高温時にもよく咲きます。
花色は黄色で、茎先に1花を咲かせます。
近縁種に房咲きの「ヒペリカム・ヒデコート」という品種があります。
ヘデラ・ヘリックス類(セイヨウキヅタ類)
ウコギ科の常緑ツル性木本。
高さは20cm程度で下部は地面を這います。商業施設や道路法面、マンションなどでよく植栽されます。本来は強光を好みますが、耐陰性が高いことから半日陰でも元気に育ちます。葉形や斑模様の違いで100以上の品種があります。乾燥には強いですが、夏期の高温乾燥時にはハダニが発生することがあります。また、本種は有害化学物質の除去能力が高いことで知られております。
フッキソウ
ツゲ科の常緑小低木。
高さは20〜30cm程度で茎の下部は地面を這います。商業施設やマンションの半日陰地などによく植栽され、耐陰性が高いことから半日陰でも元気に育ち、移植も容易です。花期は4月〜6月で、多数の雄花を茎の上部に咲かせ、下部に5〜7の雌花を咲かせます。
タマリュウ
ユリ科の常緑多年草。
ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)の矮性種として品種改良されたもので、草丈は5〜7cm。マンションや庭先によく植栽され、半日陰でも生育可能です。花期は6月〜7月で、淡紫色の小さな花を咲かせますが、あまり目立ちません。管理上の注意点としては、6月〜9月の高気温時には水不足に注意して下さい。
フイリヤブラン
ユリ科の常緑多年草。
ヤブランの斑入り種として品種改良されたもので、草丈は15〜30cm。歩道や庭先、マンションによく植栽され、半日陰でも生育可能です。花期は8月〜10月で、淡紫色の小さな花を咲かせます。
管理上の注意点としては、冬季には下部の古い葉が枯れてしまいますので、切り取ってあげるとスッキリとします。
マツバギク(サボテンギク)
ツルナ科の常緑多年草。
草丈は10〜15cmで、葉は多肉質で茎の下部は地面を這います。耐乾燥性が高いことから石垣や花壇などによく植栽されます。花期は長く、春〜夏に開花を繰り返します。花は花弁が紫色で、やや光沢があり、日中だけ開いて夜は閉じています。管理上の注意点としては、水の与えすぎないようにすることと、耐寒性が低いので、冬季に霜があたるような屋外にある場合は、枯死することがありますので注意が必要です。
オタフクナンテン(オカメナンテン)
メギ科の常緑小低木。
ナンテンの矮性種で、高さは30〜50cmです。耐乾燥性、耐寒性があることから、花壇や歩道脇、マンションなどの緑地帯の縁取り種として植栽されます。花期は6月ですが花はあまり目立ちません。冬季には葉が紅葉し、5月頃から葉色が戻り、黄緑色〜緑葉になります。管理上の注意点としては、強健な低木ではありますが、水不足による枯れが散見されますので注意が必要です。
フィリフェラオーレア(オウゴンヒヨクヒバ)
ヒノキ科の常緑針葉樹。
サワラの品種で放置すると樹高5m程度になります。年間を通じて黄金色の枝垂れた葉をもち、彩りのある地被類としてマンションや商業施設などによく植栽されます。主幹が立ちやすいので、地被類として利用する場合には低く刈り込む必要があります。
ヒラドツツジ
ツツジ科の常緑広葉樹。
枝は多数分岐して株立ち状になり、公園や歩道、マンションなどに広く植栽されます。花期は4月〜5月で、淡紅色、紫色、朱色、白色などの花を咲かせます。丈夫な種ですが、夏期の高温乾燥時にはツツジグンバイやハダニなどの害虫が発生することがあります。
サツキツツジ
ツツジ科の常緑広葉樹。
枝は下部から多数分岐して、葉が密生します。公園や歩道、マンション、庭先などに広く植栽され、花期は5月〜6月で、紅紫色の花を咲かせます。萌芽力が強く、花後に刈込むことによって翌年の花付が良くなります。一般に「サツキ」といえば本種を指します。
アベリア(ハナゾノツクバネウツギ)
スイカズラ科の半常緑広葉樹。
枝は下部から多数分岐し、歩道やマンションなどによく植栽されます。花期は6月〜11月と長く、白色の花を多数咲かせます。成長が早いため、年に数回の剪定を必要とします。近縁種に小型で赤色花のエドワードゴーチャ、芽立ち後の黄色班が鮮やかなフランシスメイソンなどがあります。
シャリンバイ
バラ科の常緑広葉樹。
やや太い枝の下部から分岐し、光沢のある葉を輪生します。歩道やマンション、海浜などによく植栽されます。花期は5月で梅の花に似た芳香の強い白色の花を咲かせます。丈夫で大気汚染に強いことから交通量の多い道路脇植栽などにも利用されています。変種にマルバシャリンバイ、ヒメシャリンバイ、ホソバシャリンバイなどがあります。
クチナシ
アカネ科の常緑広葉樹。
株立ち状に生育し、光沢ある葉が密生します。公園や歩道、マンションなどによく植栽されます。花期は6月〜7月で、芳香の強い白色の花を咲かせ、10月〜12月に橙色のくちばし状の実をつけます。近縁種に八重咲きのヤエクチナシ、コクチナシなどと一重咲きのヒトエコクチナシなどがあります。
プリベット(セイヨウイボタ)
モクセイ科の半常緑低木。
高さ0.8〜3mの広葉樹で、公園やマンションなどに植栽されています。生長が早く、萌芽・復元性が高いことから、生垣や歩道沿いの緑地帯に利用されます。花期は5月〜6月で、白色の小花を枝先に多数咲かせます。管理上の注意点としては、寒冷地では冬季に落葉するので、半常緑という認識を持つこと。夏季にはイラガなどの害虫に注意することです。なお、本種は「プリペット」と呼ばれることもあります。
レッドロビン(セイヨウカナメモチ)
樹高5m程度まで生長するバラ科の常緑広葉樹。
カナメモチとオオカナメモチの雑種で、枝葉はやや密生し、球形の整った樹形になります。公園や庭先、マンションなどの生垣としてよく植栽されています。花期は4月〜5月で、白色の小花を咲かせます。萌芽力と樹勢が高いので、刈込み回数が多いほど、赤褐色の新葉が楽しめます。
カイヅカイブキ
樹高10m程度まで生長するヒノキ科の常緑針葉樹。
萌芽性が高く、大気汚染に強いことから街路樹や公園、マンションなどによく植栽されています。管理上の注意点としては、定期的な剪定を怠るとぐんぐんと成長し、渦巻状に枝が伸びていきます。また、強剪定をしたり、樹勢が弱るとスギの葉に似た針状の葉を付けた枝が生じることがありますが、これは鱗片葉をもつビャクシン類には共通の特徴です。
キンモクセイ
樹高5m程度まで生長するモクセイ科の常緑広葉樹。
ギンモクセイの変種で、枝葉はやや密生し、球形の整った樹形になります。公園や庭先、マンションなどの芳香の強い花木としてよく植栽されています。花期は10月頃で、橙色の小花を樹冠全体に咲かせます。雌雄異株ですが、国内には雄木しかありませんので結実することはありません。原産地の中国でも雌木は珍しいそうです。
モッコク
樹高10m程度まで生長するツバキ科の常緑広葉樹。
萌芽性が高く、強い剪定にも耐性があることから、公園や和風の庭先、マンションによく植栽されています。10月頃に赤色の果実をつけます。樹齢とともに風格を増し、庭木の王とも呼ばれます。
サザンカ
樹高10m程度まで生長するツバキ科の常緑広葉樹。
枝葉よく分枝して密に茂ります。公園や庭先、マンションに花木として、よく植栽されていますが、チャドクガなどの毛虫がつきやすいことから注意が必要です。また、剪定に強いため生垣としても利用されることもあります。
花期は10月〜12月で、芳香のある花を咲かせます。多くの品種があり、花色も白色、桃色、濃紅白などが楽しめます。
シラカシ
樹高20m程度まで生長するブナ科の常緑広葉樹。
耐寒性、萌芽性が高く、強い剪定にも耐性があることから、街路樹のほか、公園やマンションによく植栽されています。関東地方で「カシ」といえば本種を指します。
アラカシ
樹高20m程度まで生長するブナ科の常緑広葉樹。
萌芽性が高く、強い剪定にも耐性があることから、公園やマンションによく植栽されています。管理上の注意点としては、葉にうどん粉病や紫かび病が発生することがあるので、病気が発生した場合は、早めの対処が必要です。
関西地方で「カシ」といえば本種を指します。
ウバメガシ
樹高15m程度まで生長するブナ科の常緑広葉樹。
株立ちのものも多くみられ、耐潮性が高く、強い剪定にも耐性があることから、海浜や庭先、マンションによく植栽されています。生垣や低木として刈込んで利用することも多いです。備長炭の原料として有名。
クスノキ
樹高25m程度まで生長するクスノキ科の常緑広葉樹。
生長性、萌芽性が高く、強い剪定にも耐性があることから、公園やマンションによく植栽されます。大径木となり易いため、植栽には広い空間が必要です。
ヤマモモ
樹高15m程度まで生長するヤマモモ科の常緑広葉樹。
耐乾燥性、萌芽性が高く、海浜や公園、マンションに植栽されています。土壌の適応性に優れ、アルカリ性土壌にも耐性があります。6月〜7月に赤い果実(食用可)を付けます。
シマトネリコ
本来の自生地である亜熱帯では樹高15m程度まで生長するモクセイ科の半常緑広葉樹。
近年人気のある種で、公園や庭先、マンションによく植栽されています。花期は5〜6月頃で大きな花序に小さい花を多数咲かせます。やや乾燥に弱い種です。関西地方では株立ち状のものを「シンボルツリー」として良く利用しています。ちなみに本種は温かい地域に植栽すると常緑ですが、寒い地域に植栽すると落葉します。
ケヤキ
樹高40m程度まで生長するニレ科の落葉広葉樹。
生長性、萌芽性が高く、強い剪定にも耐性があることから、街路樹のほか、公園やマンションによく植栽されます。大径木となり易いため、植栽には広い空間が必要です。
ハナミズキ
樹高5m程度まで生長するミズキ科の落葉広葉樹。
4月〜5月頃の葉が出そろう前に枝先に白色の花(総苞)を開くことから、花木として街路樹のほか、公園や庭先、マンションなどによく植栽されます。乾燥にはやや弱いので、注意が必要です。近縁種に赤色花のチェロキーローブ、班入りのレインボーなどがあります。明治時代にアメリカにサクラを送った返礼として日本に贈られました。(写真は赤色花品種です)
ソメイヨシノ
樹高10m程度まで生長するバラ科の落葉広葉樹。
エドヒガンとオオシマザクラの雑種で、3月下旬〜4月頃に淡紅色の花が葉に先だって咲くことから、我が国を代表する花木として街路樹や公園、庭先、マンションによく植栽されています。剪定には弱い種なので、一般に障害枝や枯れ枝以外は剪定しません。また、枝が横に広がるので、生育には広い空間が必要です。本種にはアメリカシロヒトリという有名な毛虫(無毒)が良く発生します。